沖縄の竹の子はチンブクダケと言われ、地元では「グラ」と呼ばれています。
チンブクダケは地面から1mぐらい伸びてから収穫します。
このタケノコは1週間で2mにもなり、成長すると4~8mになります。
チンブクとは沖縄の方言で「釣り竿」のことで、昔は釣竿として使われており、このことからチンブクダケと言われています。和名ではホテイチクと言われ、えぐみが少なく美味で九州でも珍味とされています。
地元の人の話では、田嘉里よりも山寄りの集落(饒波(ぬうは)や謝名城(じゃなぐすく))が食べ始めるのは早かったそうです。昔はたくさん生えていたので、好んで食べるというよりも、どちらかというと他に食べるものがなくて食べていたそうですが、最近では木が多く繁り、たけのこの自生数が減ってしまったので、気軽に採れなくなってきているそうです。栽培している農家が1農家だけいるものの、供給はまだまだ安定しておらず、現在ではなかなか手に入れることのできない幻のたけのことなっています。
たけのこは山に入って採るので、ハブの活動時期と重なり、慣れている地元の人でないととても危険です。竹の子の収穫方法は伸びてきた1mくらいの新芽を探し上の毛の部分を掴み下げながら柔らかいところから折って取ります。山の斜面などに自生するため収穫も重労働の貴重な食材です。
竹の子は皮をむき食べやすいように切って、そばやカレー、天ぷら等の具材として食しますが、焚火でまる焼きにして食べたりもします。味は歯ごたえがありしゃきしゃきして、クセも無くとても美味しいです。
田嘉里では、たけのこの収穫時期であるGWあたりに『グラの郷 田嘉里むん市』が開催されます。
2021年は5月8日に開催予定でしたが、残念ながら中止となりました。
なかなか入手できない田嘉里たけのこですが、momoファームの池田百代さんは、田嘉里たけのこを保存しやすいように加工して販売しています。
1パック1,000円と少し高めですが、皮をむいて湯がいたりえぐみのある部分を取り除いたりで、とても手間がかかるので、関係者と話し合った結果、この値段に落ち着いたそうです。
それでも常連さんも多く、なかには毎年、那覇から来て20パックも買われる方もいるそうです。なお、発送は行っておらず直売のみとなります。